【その5】少女漫画がおもしろい!


鳥飼茜さんの『おんなのいえ』(全8巻完結)



今、目の前にある現実を直視できなくて、でも自分自身を納得させるために、

見栄とか意地とか、そんなもののために精一杯格好つけて、

思いっきり格好悪く生きることだってあるんだ。


大前有香(ありか)・29歳、突然、恋も仕事も何もなくなった。

ゆくゆくは結婚も考えて、3年間東京で同棲していた彼氏に突然振られ、

結果、大阪の実家に母親と2人で住んでいた妹とその部屋で同居することに。


自分は何もなくてからっぽなんだと思ってた。

でも、本当は向き合えないで放置し続けた気持ちが、ただいっぱい詰まって、

他のものなんか入れる隙間がなかっただけなのかも知れない。


◆ 


ときどき、私達は前に進めなくて立ち止まって、間違って言い訳して、寄り道して見失って、傷ついて傷つけて、そうやってでも自分の望んでる道を手繰り寄せようとすることもあります。

そうして、格好悪くても時々逃げたり、自分の気持ちと向き合ったりしながら生きています。
そういう時間を重ねて、そしてそれがまた別の誰かの時間に重なってつながっていくのが、
多分、ともに生きるということなんだろうと思います。


最初は面白かったんですが、主人公がぐだぐだし始めて途中から急に失速。

微妙な男女の友情関係だった既婚者・川谷(途中で突如独身に)ともぐだぐだ・・・。

最後はなんか悟った?的な流れに持っていって主人公はスッキリ!

みたいになっていますが、スッキリしたていなのは主人公だけな気がします。

結局、自分の気持ちとも向き合いきれず、そもそも川谷となんか向きあう気さえないままで、

全体的に見ると全部放置して逃げただけのように見えました。


私はこの物語の中では、川谷が一番すきなキャラクターでした。(地味に大河内さんもすきですw)

最初は格好いいスマートな男という印象ですが、途中からはなんだか情けなくて、ちょっと女々しくて、どんどん格好悪くなっていきます。

誠実なのか不誠実なのかわからないけど、人間くさくていい。

そんな川谷が最後はなんだかかわいそうでした・・・。うーん、若干消化不良。


と、個人的には不満が残る感じでしたが、物語としては十分楽しめます(^^;


また、長女である有香と次女のすみ香、そして母。

みなそれぞれに女として、家族として立ち回りや役割があって、生き方がある。

そこもまた面白いところです。


レビューも書きたくて書いてはいるものの、言葉で説明するのって不慣れで、本当に難しい。

何度も読み返しては加筆修正を繰り返しています。

なので、実はこれまでのレビューも公開したときの原型を留めないほどに、

修正しまくってます(^^;

このレビューも多分そうなるのだと思います。