絵についてのいろいろ
絵の練習をしていて、最近気になっているいろいろについてまとまりのない話。長いです(^^;
今年はここ数年で一番多く展覧会に行けました。
展覧会は基本1人で行くのが好きなのですが、出不精で人と約束がない限りなかなか外出しないので、たくさんの作品を間近に見られたことが本当にうれしい。
4月に生まれて初めて絵を購入し印象深かった丹地陽子さんの個展『めがね』(ずっと長い間片思い状態のようにファンだったので、今思い出してもご本人に会えなかったのが悲しい・・・)、8月に超細密画で独特の世界観を描くヒグチユウコさんの『CIRCUS』、10月にみんぱくの『驚異と怪異』&近年のメキシコの造形表現を紹介した『アルテ・ポプラル』、11月に少女漫画家・萩岩睦美さんが80年代「りぼん」で連載していた作品の数々を忠実に再現した『再現画展』、今年はアニメ作品の映画も2作品、映画館で観ました。『海獣の子供』と『天気の子』。
どれも異なる魅力にあふれて、独自の世界観に圧倒された。
たくさんの人に支持される作品もあれば、限られた人たちに熱狂的に愛される作品もある。共通するものは何なのかな・・・。「共感」と「手を伸ばしても届かない憧れ」のような相反するものが同居していることなのかな?そして、「いい絵」ってなんだろう?と、今年はたくさん考えた。
「好き」とか「好きじゃない」というのは、人それぞれの主観で好みの問題なのでさておいて、「うまい」「ヘタ」というものの定義も今では曖昧だし、これもそもそも「うまい絵」が「いい絵」というワケでもない・・・。多くの人が『いい絵だ』と思うのってどんな絵なんだろう? やっぱり、考えてもわからない。
でも、1つわかったのはどんな作品にも「すき!」って言ってくれる人は存在するということ。同じ作品を好きでも、好きな場所が全然違っていたりすることもあるように、人の好みも千差万別。だから、この世界に自分の描いた絵を「すき!」って言ってくれる人が、絶対1人はいるはず(^^)
ところで、私は今わりと熱心に絵を練習しています。単純に技術の向上が目的です。
『こういう絵が描きたい!』と思うのに対して、あまりにも私が描けるものの範囲が狭過ぎる。見合った技術がなければ、描きたいと思ったものを描きたいようには描けない。それには、単純に描けるものを増やすしかない。そして、それはとにかく描くしかない・・・。(悲しいけれど本当にそれしか方法はない)
私が『この絵いいな』とか『素敵だな』と思うのはおそらく、自分には描けない絵。これは技術的に高度だとかいうことだけではなく、独自の世界観が描けているかというのがほとんどだと思います。独自の世界観を描くというのは、たくさん描いたり想像したり、多くの時間を熱心にその世界のために使っているからこそできることです。まだまだ私にはこれが足りていないなぁ、としみじみ痛感しています。こればっかりは、技術が向上したからといってできることではないものだと思う。
『facomi to usachan』の方では完全に自分の妄想で描いているので、何かを見て描くということはほとんどありませんが(背景とか描くときは見ることもあります)人物の絵を描くときはほぼ写真の模写です。(顔とか髪型など一部を変えて描くことが多いです)
模写はその言葉通り、『見たものを見たまま写し取る』方法です。見たまま描くというのは、簡単なようで、実は簡単なことではなくて見る力がなければできません。そして、対象が写真や実物なら自分なりに線に変換して立体的に見えるように描いたり、質量を感じさせたり体重がどこにかかっているかを考えながら描く必要があります。
「見る力」というのは観察力のことで、デッサンも似たような感じですが、細かな変化に気付く力が必要です。わかりやすいところで、対象物に光が当たると影ができます。明るい所と暗い所ができる。そして明るい所と暗い所の間には移り変わっていくたくさんの色が存在していることが多いです。(強烈な光の場合パキっと2色になることもある)
その変化を見るということや、質感の違いも。ツルツル・ザラザラ、柔らかい・硬い、厚い・薄いなどなど。対象から様々な情報をより多く読み取って、絵に変換していく技術が必要です。
私の描いている人の絵は写実的な絵ではなくイラストなので、細部にまで写実的に描くことはありませんが、この技術が身に付いているかいないかで、表現の幅に違いが出てくるのではないかと個人的には思っているので練習しています。
もっとたくさんの時間を絵を描くことに使いたい。
どうしても絵に対して、気分の浮き沈みがあるので度々凹んでしまって、常に『絵描くのだいすき!』って状態には保てないのも現実だけど・・・(^^;
何かを突き詰めていくのには、本当に時間と労力が必要。
でも、それをしない限りは何の変化も得られない。と、最近つくづく思う。
長ーいまとまりのない絵の話は、これにておしまい(^^)
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