人と人が物語をつくる



小説でも映画でも、マンガでもアニメでも、

物語って素晴らしい!って最近本当に思います。


突然どうした・・・って感じですが(^^;


今、アニメ『マギ』を観ています。

原作のマンガは現在も続いていて、アニメより先に原作を読みました。

『千夜一夜物語』をベースにした冒険ものです。

あらすじは長くなるのでさて置いて、

昨日観た回で主人公(アリババ)の友達(カシム)が死んでしまいました。

原作でもとても好きな場面で、切なくてあたたかい気持ちになります。

その最後のシーンがなんだか妙に胸に響いて、泣いてしまいました(^^;


出生、育った環境、歩んでいる道・・・誰一人として、同じ人はいません。

それぞれに、自分だけの道があります。

それぞれの人生こそが、自分が主人公のたった一つだけの物語です。


カシムは、何もかもが自分よりアリババの方が恵まれている、

その違いに、憧れや羨望・劣等感を感じて、自分とアリババを比較しては運命を呪い、

それがどんどん憎しみや恨みに変わっていきます。

その恨みはアリババへ向けて暴走し、憎しみが狂気へと変わって、

運命に復讐するために自分を傷つけ、アリババを傷つけます。

しかし、アリババとの対話の中で、自分が見ていた世界は実は自分自身で歪めていたこと。

自分とアリババは別々の他人なのだから、決して同じになることはないのに、

無理やり同じ場所に行こうとしていたこと。

違うということを受け入れれば、それぞれ別々の人生を一生懸命生きれたことに、

死ぬ間際に気付きます。


物語は、人と人がいるから生まれるものだと思います。

そして、それは学校では教えてくれないいろんな事を教えてくれる。

私は子供の頃、そんなにマンガや小説を読んでいないので、

今、大人になって読むようになって、

「あぁ、もっと小さい頃に読みたかった・・・」と思うことがあります。

でも、その中にはこれまでいろんな人に出会って、

いろんな事を知って経験してきたからこそ理解できたり、

心に響く言葉や情景がたくさんあるのだと思います。


読み終わった後、より共感した物語であればあるほど、終わってしまうのが少し寂しくて、

余韻にひたっていたくて、しばらく次の物語は読みません。


この『マギ』はとても壮大な物語です。

少年マンガですが、物語の世界観や仕組みを子供がちゃんと理解するには

少し難しいかも知れません。

しかし、物語に登場する人々が、かかわり合う中で共に傷ついたり、

互いを信じて成長する姿を見て、共感して悲しんだり楽しんだり。

また、ハラハラしたりワクワクしたり、相手を自分を想い信頼することなど、

いろんな感情や人としての在り方を教えてくれます。



マンガやアニメは子供のもの、と思っている大人は多いですが、

いい大人な私ですが、物語からまだまだたくさんのことを感じ取れてます。

ここしばらく、少し落ち込んでいたのですが、

ふと、マンガ『神様はじめました』の主人公、奈々生ちゃんを思い出したら、

やってやれないことなんかない気がしてきて、

すごく勇気が湧いてすっかり元気になってしまいました(^^;

私って自分で思っているより相当、純粋なのかも知れません(笑)

というより、単純なだけか・・・(^^;


でも、そうやって物語の中の人物に自分自身を重ね合わせて、

一緒に物語の世界を楽しめるのは、小説も映画も、マンガもアニメも同じこと。

まだまだ、知らないいろんな物語の世界を登場人物たちと共に楽しめると思うと

ワクワクしませんか?